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■イベントレポート「かごしま芋焼酎コミュニティフェスタ」2016.01.23

かごしま芋焼酎コミュニティフェスタ トップ画像00LS-day●【イベントレポート】・・・・・・・・・・

「かごしま芋焼酎コミュニティフェスタ」
2016.01

(Writer 山内亮治)

 

 

冬に飲みたい!こだわりの銘柄、集合!

2016年の第1回目となる原宿「IKI-BA/粋場」での鹿児島芋焼酎イベントは、夜開催の「コミュニティナイト」とひと味違い、土曜日の午後から「かごしま芋焼酎コミュニティフェスタ」として開催された。東京から九州・沖縄まで降雪が心配される全国的に寒い1日だったが、熱い想いを持った蔵元が集まり熱気あるイベントとなった。

今回は寒い冬におすすめする、こだわりと個性あふれる銘柄が登場した。ここでは参加者が思わず話したくなる・教えたくなるであろう銘柄を紹介したい。

1本目は小牧醸造株式会社「一尚 ブロンズ」。小牧尚徳(こまき ひさのり)氏と兄・一徳(かずのり)氏の兄弟が手がけた「一尚 ブロンズ」は、ビール酵母を使用したユニークな芋焼酎で、香りは控えめだが芋の存在感はしっかり残るドライな口当たり。炭酸割りでも楽しめる“酒席の1 杯目”を演出する銘柄と言える。女性の参加者が「普段、ビールしか飲まない人にもお勧めしたい」と語っていたほど、「一尚 ブロンズ」は芋焼酎に馴染みのない人にも“名刺代わりの銘柄”になりそうだ。

2本目は神酒造株式会社「千鶴」。蔵のある鹿児島県・出水市は毎年10月中旬から3月頃にかけて鶴が越冬のために渡来する場所としても知られている。昔は数百羽しか来なかった鶴が千羽くるようにとの願いが込められ作られた「千鶴」は、原材料に国産米ではなく“タイ米”が使われているところに特徴がある。

蔵元から、あえてタイ米を使っていることが説明されると、参加者は誰も想像もしていなかったのか「えーっ!」と驚きの声を上げた。蔵元の神孝輔(かみ こうすけ)氏は「国産米に比べて、味にコクと深みが出る」と説明してくれた。米自体に独特の香りを持つタイ米で作られた「千鶴」。お勧めの飲み方は、蔵元自身が「100%お湯割り」と断言する。寒い日にぴったりだったその1本は、原材料の話題性もあり参加者を大いに楽しませてくれた。

イベントで紹介された6銘柄それぞれに、話題性とストーリーが存在した今回のラインナップ。初めて会った参加者同士が、それぞれの銘柄の味を確かめ、ともに話し合う……そのような光景がとても印象的だった。

 

蔵元、イベントプロデューサーそれぞれの想い

「かごしま芋焼酎コミュニティフェスタ」を通してエンドユーザーと直接触れ合い、充実の時間を過ごした蔵元。イベントも終わりが近づいたころ、3人の蔵元からイベント参加にあたっての気持ちやイベントの中で感じたことなど、話を聞くことが出来た。

今回、イベント初参加だった吉永酒造株式会社・川畑慶介(かわばた けいすけ)氏。吉永酒造株式会社のある甑島(こしきしま)は、東シナ海に浮かぶ優れた海岸景観を有する島だ。昨年3月には甑島が国定公園に指定されたこともあり、川畑氏は「イベントに参加することで、甑島という島を知って欲しい」と熱く語ってくれた。代表銘柄「五郎」は、元々は島民のためだけに作られた107年の歴史を持つ芋焼酎。地元密着型の歴史を持つ銘柄に対し、参加者は珍しさも味わいとして大事に飲んでいた。「美味しい!」「家でも飲みたい!」と笑顔いっぱいで感想を発する参加者の姿に、「東京の人に「五郎」を気に入ってもらえて良かった」と顔を綻ばせてくれた。

銘柄選びの意図とイベントでの発見を語ってくれたのが、神酒造株式会社・神孝輔氏。2015年1月に開催されたスペシャルイベント以来、約1年ぶりの参加となる神氏は、地元でもよく飲まれる創業以来の代表銘柄「千鶴」に対する反応を楽しみにしていたという。神氏にとって参加者とのコミュニケーションは銘柄や蔵の説明だけではなく、マーケティングとして貴重な時間。「参加者と話してみて地元で飲まれる銘柄の反応が分かって良かったし、参考になった。次回はもう少しあっさりさせても良いのかも…」と今後の焼酎づくりに向けた手応えを掴んだ様子を覗かせた。

焼酎を飲む環境に合わせて、銘柄や飲み方を提案していきたいと考えていた小牧醸造株式会社・小牧尚徳氏。「一尚 シルバー」は、100年以上前の創業当時の味を伝える目的でつくられた銘柄。味にコクとパンチがある。もう一方の「一尚 ブロンズ」はビール酵母を使用し、水割りなどコールド系で飲むとさっぱりと爽やかな味わいを実感できる。(以下、「シルバー」「ブロンズ」)

イベント当日は降雪が心配された寒い日。どちらを先に紹介するのか、蔵元にとって難易度が上がった環境でもあった。小牧氏はブロンズを先行させたことについて「1本目としては良かった」と分析しつつも、「最初にシルバーのお湯割りでガツっと温まってもらう紹介の仕方もあったのかも」と自身の中で見つけた選択肢を語ってくれた。

「かごしま芋焼酎コミュニティイベント」では、銘柄の紹介順はほとんど蔵元に判断が任されている。紹介順について本格焼酎イベントプロデューサー&ファッションスタイリストのyukikoはどのように考えていたのか。後日尋ねてみた。「確かに通常よりも判断に迷う難しい環境でしたが、小牧醸造さんはじめ蔵元の皆さんの紹介順は正しかったと私も思っています。パターン化せずに最後まできちんと考えて対処して下さったプロ意識に大変感謝をしています」と答えが返ってきた。

2014年のイベント開始以来、参加する蔵元は自社銘柄に対するエンドユーザーの反応を間近で感じている。東京でそのような機会があることは貴重であり喜ばしいと語っている。今年1回目の「かごしま芋焼酎コミュニティイベント」は、蔵元にとって貴重な情報収集の場になっただけではなく、参加者から今後の焼酎づくりを応援するメッセージを受け取った1日となっただろう。

 

取材者コメント

今回のイベントに参加した蔵元は、良い意味での“ガツガツ感”、それぞれの“ポリシー”を持って臨んでいる印象を受けた。だからこそ鹿児島へ持ち帰れた情報もあっただろうし、参加者も蔵元のメッセージを受け止めながらイベントを楽しめたのではないだろうか。蔵元と参加者、お互いのエネルギーが“共存”した「かごしま芋焼酎コミュニティフェスタ」だった。(Writer 山内亮治)
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「かごしま芋焼酎コミュニティフェスタ」2016.01

日 時:2016年01月23日(sat) 14:30-16:30
会 場:IKI-BA (原宿)
定 員:30名さま

【協賛】鹿児島空港ビルディング株式会社、株式会社西広
【後援】鹿児島県酒造組合、鹿児島県酒造青年会、公益社団法人 鹿児島県観光連盟、公益社団法人 鹿児島県特産品協会

【主催】色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」、鹿児島芋焼酎コミュニティクラブ(「スタイル プロモーション」運営)

- 2016.03.26 update -


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