STYLE promotion ~色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」~

■イベントレポート 「かごしま芋焼酎コミュニティナイト」キックオフイベント2014.11.21

かごしま芋焼酎コミュニティナイト トップ画像【イベントレポート】・・・・・・・・・・

「かごしま芋焼酎コミュニティナイト」
キックオフイベント 

(Writer 山内亮治)

 

本格焼酎で広がる輪、“キックオフ!”

鹿児島芋焼酎コミュニティクラブ主催の「かごしま芋焼酎コミュニティナイト」が来年1月から定期的に開かれるのに先立ち、そのキックオフイベントが11月21日(金)に原宿「IKI-BA」で開催された。
同コミュニティクラブを運営する色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」が8月に銀座で行った色彩イベント「色と食の旅プロジェクト」~島津紫の煌めき~に引き続き、寺原章氏(大口酒造株式会社)と杉本真輝氏(杉本酒造合資会社)がゲスト蔵元として鹿児島県から参加。この日、2名の蔵元は「芋焼酎の美味しい飲み方」の指南役となってくれた。

 

芋焼酎を美味しく飲むためのノウハウが蔵元から説明されると、目から鱗が落ちるといった具合に参加者から驚きの声が漏れた。同時に「さっそく教わった飲み方を試してみよう!」とイベントが一気に盛り上がった。「こんな飲み方があったなんて知らなかった!」「同じ焼酎でも味が違う!」「コツが覚えやすいので自宅飲みも楽しめる!」と会場の至る所で感想が飛び交う。蔵元直伝の美味しさのノウハウ習得は、イベント参加者の特権だろう。当日はビギナー向けから玄人好みのものまで6種類の銘柄が集結。参加者は教わった飲み方を思い出しながら、ロック、水割り、お湯割りなど好みで楽しみ、各銘柄の味と風味の違いを堪能した。

また、銘柄の持つストーリーや生産地の情報についても理解を深められるのが「かごしま芋焼酎コミュニティナイト」の醍醐味だ。鹿児島県にゆかりのある主催者yukikoがイベントの要所要所で大人の知識欲を駆られる焼酎情報を紹介する。東京で活動する色彩総合プロデューサー兼ファッションスタイリストの目線と言えよう。普段なんとなく飲んでしまいがちな芋焼酎だが、それまで知らなかった原材料と色の関係など、色彩のプロならではの視点で話を聞くと思わず知的好奇心が刺激される。明日つい誰かに言いたくなる、そんな話が密になり芋焼酎を飲む楽しみが一つ一つ増えていく。

 

イベント中、参加者同士で芋焼酎を楽しんでいると、さりげなくテーブルに蔵元が加わり酒器に合わせた美味しく飲むための方法をアドバイスしてくれた。「昔は芋焼酎なんて臭くて飲めなかった」と語る参加者には、近年の焼酎作りの進化について作り手側から説明する一幕があった。この他にも、この銘柄だとソーダで割ると甘みが増す、など蔵元だからこそ知る美味しい飲み方を紹介してくれる。このように作り手の顔が見え交流できることが、なんといっても「かごしま芋焼酎コミュニティナイト」最大の魅力だろう。蔵元との交流を通して飲み進めるごとに、参加者の中で本格焼酎の世界が広がり深まっていく。
宴もたけなわになった頃には、初めて会った人ともいつの間にか芋焼酎談義で盛り上がっている、そのような風景が広がっていたのだった。

 

 

東京から鹿児島を、鹿児島から東京を発見する

今回のキックオフイベントでは、参加者が東京にいながらも「鹿児島」をより深く感じさせてくれた1本がある。白石酒造の蒸留仕立て無濾過の「天狗櫻」だ。
芋焼酎と聞けば思い出すのがその独特の香りであるが、これはひとつとして製造の過程で発生した油分をどう処理するかで変化する。焼酎の油分とは、酵母がアルコール発酵をする際に出る「高級脂肪酸エチルエステル類」のことで、焼酎の旨みや香りを作り出す成分である。一般的に、メーカーは製造の過程で発生した油分をある程度取り除く。近年の濾過技術が向上したこともあり、現在市場で好まれる製品は敬遠されるようなクセを持たない傾向にある。

しかし、イベントに登場した「天狗櫻」はあえて油分を残した1本だった。蒸留仕立て無濾過の「天狗櫻」は、この油分を残すことで他の焼酎に比べて色に濁りがあり、芋の香りの主張が強い。「蔵元の個性や方針、様々な芋焼酎の良さを東京の人たちに知ってもらいたい」と展開するイベント主旨に深い理解を示してくれた蔵元の粋な計らいで、まだ市場に出る前の新酒を口にすることができた。さつま芋の旨みをダイレクトに表現したこの無濾過の「天狗櫻」は鹿児島県内でも流通量が限られている。「芋本来の味と香りが伝わってきて美味しい!」と、現地でも貴重な1本を味わう機会を通して、参加者にとっては今まで以上に東京で「本物」に出会った気持ちになったはずだ。

 

一方、鹿児島の目線から今回のイベントはどう映ったのだろうか。これについて、ゲスト蔵元の杉本氏は「鹿児島の人でも気に入ったら一つの銘柄しか飲まない。(いくつかの銘柄を飲み比べることで)お互いに発見がある」と印象を口にした。また、イベントの最後には「東京の視点から見た芋焼酎はどのようなものが求められているか、どういう風に見られているか、皆さんとお話しして勉強することができた」とも語ってくれた。鹿児島県から参加してくれたゲスト蔵元にとっても、キックオフイベントは東京におけるニーズを改めて知る機会となった。

イベントが開催された11月下旬は、芋焼酎の仕込みの最盛期だ。忙しい時期にも関わらず駆けつけてくれた2名の蔵元による発見は、来年のイベントに、焼酎作りにどのように反映されていくのだろうか。参加者は、次回どのような焼酎と出会うことができるのだろうか。来年から始まる「かごしま芋焼酎コミュニティナイト」を心待ちにせずにはいられない、大変盛り上がったキックオフイベントだった。

 

【取材者コメント】
イベント中に様々な人から話を聞くなかで、鹿児島出身者も多かった。仕事がきっかけで鹿児島から上京し、東京での暮らしがもう何年にもなるという方に出会った。知覧醸造の「ほたる」に触れて「鹿児島出身なのに、こんな銘柄があったなんて。新発見だった」と感激の様子だった。
東京から鹿児島の特色を発信する「かごしま芋焼酎コミュニティナイト」イベント。今後、鹿児島出身の人たちにとっても故郷の価値を再発見する、そのようなイベントになれば最高だと思える瞬間だった。 (Writer 山内亮治)

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「かごしま芋焼酎コミュニティナイト」
キックオフイベント

日 時:2014年11月21日(Fri) 19:00-21:30
会 場:IKI-BA (原宿)
定 員:30名さま

【協賛】株式会社西広
【後援】鹿児島県酒造組合、鹿児島県酒造青年会、公益社団法人 鹿児島県観光連盟、公益社団法人 鹿児島県特産品協会

【主催】色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」、鹿児島芋焼酎コミュニティクラブ(「スタイル プロモーション」運営)

- 2014.12.30 update -


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