イベントレポート・・・・・・・・・・
「色と食の旅プロジェクト」
〜隠れ旬を味わう!オイスター活力祭〜
隠れ旬、実は知られていない牡蠣の美味しい季節
今回の「色と食の旅プロジェクト」のテーマは、「隠れ旬を味わう!オイスター活力祭」。夏本番を目前に控え、宮城県は石巻の牡蠣を堪能した。
そもそも、6月も終わりを迎える時期になぜ牡蠣なのか。
宮城県の牡蠣の出荷時期は、県条例により10月から3月までと定められている。それ以降は、水温が温かくなると貝毒(牡蠣が毒を持った植物プランクトンを食べることで体内に毒を蓄積させる現象)や細菌の関係によって出荷が部分的にストップしてしまう。
ただ、7月前の産卵を控えた牡蠣は栄養を豊富に蓄え、冬場のものとは味もひと味違う。牡蠣独特のプリっとした歯ごたえに、チーズのような濃厚さが舌の上に残るのが印象的なのだ。県外には通常出荷されないこの時期の牡蠣を、地元漁師は「隠れ旬」と呼ぶ。隠れ旬の牡蠣を口にしたイベントの参加者は皆、「濃厚」「声にならない」と美味しい驚きに溢れた。
美味しい牡蠣を更に盛り上げてくれたのが、主催者yukikoの色彩活動に賛同した「牡蠣プランナー」の花田寛明氏、「×SAKEプランナー」の木村光氏。宮城県の現状に詳しい二人のトークセッションでは、木村氏は日本酒を一言で「ストーリー」と表現する。この日のイベントのために6種類の宮城県の日本酒を用意してくれた。宮城の土地が生んだ日本酒は、キレ・香り・旨みにそれぞれ異なった個性を持ち、その土地の食(牡蠣)と掛け合わさり幾つものストーリーを織りなして参加者を楽しませた。
震災後の宮城から届ける牡蠣漁師たちの「活力」
オイスター活力祭に美味しい牡蠣を提供してくれたのは、宮城県石巻市荻浜(おぎのはま)地区から来た久米徹平氏と豊嶋純氏。ともに30代の牡蠣漁師だ。
2011年3月東日本大震災後に、漁師として歩み始めた久米氏と豊嶋氏。イベントで隠れ旬の牡蠣を食べる機会に先立ち、主催者のyukikoとのトークセッションでは、そんな二人の「これまで」と「これから」が語られた。
震災まで東京で飲食業界や金融業界に関わって来た久米氏は、震災後ボランティア活動をきっかけに漁業に従事。現在は自身で出荷の作業も担う。「生産して出荷して流通されて・・・そこで始めてお金が払われて、消費者は牡蠣を食べることが出来るんだなっていうのを改めて実感した」漁業に携わることによって感じた生産者としての想いを伝えてくれた。
一方で、豊嶋氏は震災が起きた時は塾講師として働いていた。豊嶋氏にとって漁業は家業であったが「興味はあったものの、もともとやる気はなかった」という。しかし震災後、共同生活をするなかで地元の人たちの団結力に自身が「救われた」と感じた。やる気はなかったという漁師の道は、震災後の共同生活を経て「僕が地元のために、人生をかけて出来るものは何か」と使命感へ変わった。そして、家業の漁業を継ぐために浜へと戻った。
豊嶋氏は、今後伝えていきたいことについて「ボランティアの皆さんに支えられて、ようやく生産が出来るようになった。今度は感謝の気持ちが循環するといいなって思っています」と明るく話してくれた。
3年前の震災によって、積み重ねてきたものが全て流された石巻の海。これからは、この30代の活力ある漁師たちが、地元の人たちと復興の気持ちと共に海の「活力」を届けてくれるだろう。 (Writer 山内亮治)
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「色と食の旅プロジェクト」Presented by STYLE promotion
~隠れ旬を味わう!オイスター活力祭~
日時 2014.06.28(土)14:00-16:00
場所 フレスコイベントスペース(東京都豊島区)
【協力】花田寛明氏/牡蠣プロデューサー、木村光氏/×SAKEプランナー
【主催・ナビゲーター】yukiko/色彩総合プロデューサー、スタイリスト
【企画運営】色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」
【後援】石巻市、石巻商工会議所、一般社団法人 石巻観光協会、宮城県漁業協同組合
- 2014.07.27 update -
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