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■イベントレポート 「色と食の旅プロジェクト」~島津紫の煌めき~2014.08.23

「色と食の旅プロジェクト」~島津紫の煌めき~【イベントレポート】・・・・・・・・・・

「色と食の旅プロジェクト」
〜島津紫の煌めき〜

 

宝石のように美しく実用的な酒器—薩摩切子

「島津紫の煌めき」と題し、今回の「色と食の旅プロジェクト」では鹿児島県の伝統工芸品「薩摩切子」で本格芋焼酎を堪能した。

薩摩切子とは、幕末に鹿児島で作られていたカットグラスのことだ。1851 年に薩摩藩藩主となった島津斉彬(なりあきら)が興した事業の一つとして作られた薩摩切子は、あの篤姫も江戸へ嫁ぐ時には嫁入り道具として持参したほど。当時は国外でも高い評価を獲得した。しかしその後、薩英戦争での工場への砲撃被害、明治維新の動乱の影響を受けると明治10(1877年)年頃には途絶えてしまったと伝えられている。それから約100年の時を経て、株式会社島津興業 薩摩ガラス工芸(以下 島津興業)の手により見事に薩摩切子の復元がなされた。ちなみに、イベントタイトルにもある「島津紫」は、2005年に同社によって作られた新色である。島津藩とゆかりのある島津興業で製造された薩摩切子は「島津薩摩切子」と呼ばれ、薩摩切子の中でも一級品として鹿児島県でも認知されている。

透明なガラスの上に色ガラスを被せカットすると、色と透明の二層のガラスによる濃淡が生まれる。この「ぼかし」と呼ばれる技法が薩摩切子の最大の特徴だ。イベントでは紅・金赤・藍・緑・黄・島津紫の6色の島津薩摩切子が用意された。「ぼかし」によって生まれる深い色味は光に照らされると宝石のような煌めきを放ち、まずは目で参加者を大いに喜ばせた。

目で薩摩切子を楽しんだ後は、実際に芋焼酎を注いで一般的なロックグラスで飲む場合と味わいの違いを飲み比べてみた。

一般的なグラスに比べ、薩摩切子は手に取るとガラスの厚みと重量感、カッティングによる触り心地の良さが手の中に伝わってくる。また、かぼちゃの「面取り」のように、飲み口にも鋭角が丸く削り取られる細やかな配慮がなされている。そのため参加者からは、「口当たりがやわらかい」「口当たりが滑らかでふんわりと甘い感じがする」と飲み比べに対する反応が返ってきた。

見た目の芸術性だけでなく高い実用性も兼ね備えた薩摩切子は、普段私たちが感じる以上に芋焼酎の美味しさを五感へと届けてくれるのだ。

 

鹿児島の芋焼酎ブーム到来の予感!?

この日のイベントでは、寺原章さん(大口酒造株式会社)・白石貴史さん(有限会社白石酒造)・杉本真輝さん(杉本酒造合資会社)の3名の芋焼酎の蔵元がゲストとして参加。生産者から製造方法や原料へのこだわりや銘柄誕生の背景を直接聞き、同時にモニターとしての意見を生産者に届けられる貴重な機会となった。

薩摩切子でいただく鹿児島の芋焼酎には、ゲスト3名がお持ちになったものも含め8種類の選りすぐりの銘柄が並んだ。芋焼酎の最大の魅力は何と言ってもその「香り」なのだが、一方で独特な香りはクセと取られ芋焼酎が敬遠される原因であったりもする。

しかし、用意された一本一本の香りの違いを楽しむうちに「もっとクセがあっていい」「クセがあると思ったけどファンになった」と芋焼酎初心者や普段飲まない方からも嬉しい声が聞こえてきた。また、寺原さんは芋焼酎の飲みやすい方法として炭酸水で割る飲み方を提案。「(香りの)存在感は失わないが飲みやすい」というその飲み方には、確かにお湯割りやロックにはない、香りを爽やかに楽しむ芋焼酎の新しい魅力がある。その後も会場では一本ずつ飲み進めるごとに、前者と香り以外のキレや味といった特徴を比較する酒談義に花が咲いた。

近頃は日本酒が若い人の間でも見直され外国でもちょっとしたブームになっているが、芋焼酎だってその魅力は全く負けていない。むしろ香りや味覚のバリエーションには他の酒にはない面白みがあると感じるほどだ。そんな鹿児島の芋焼酎は、今回のイベントの会場となった銀座の芋焼酎バー「SAKURAJIMA」で薩摩切子と共に楽しむことができる。興味のある方は、是非とも奥深い鹿児島の芋焼酎の世界を美しい酒器でスタイリッシュに味わってほしい。

 

【取材者コメント】
イベントで個人的に一番印象的だったのが、蔵元・白石さんの芋焼酎「天狗櫻」と有限会社白石酒造がある鹿児島県いちき串木野市のさつま揚げとの組み合わせだ。さつま揚げも鹿児島県の地域によって味の違いがあるのを知ったこと自体が新鮮だったのだが、いちき串木野市のさつま揚げは甘みが強く、さっぱりと辛みのある天狗櫻との相性は最高。(もちろん味わった芋焼酎はどれも絶品で料理の味を引き立てるものばかり)

思わず鹿児島への旅心をそそられる素晴らしい出会いだった。 (writer 山内亮治)

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「色と食の旅プロジェクト」Presented by STYLE promotion
~島津紫の煌めき~

日 時:2014年8月23日(Sat) 18:00-20:30
会 場: 芋焼酎BAR SAKURAJIMA (銀座)
定 員:15名さま限定 (薩摩切子の個数上)

【協賛】鹿児島空港ビルディング株式会社
【後援】株式会社島津興業 薩摩ガラス工芸、鹿児島県酒造組合、鹿児島県酒造青年会、公益社団法人 鹿児島県観光連盟、公益社団法人  鹿児島県特産品協会

【主催】色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」、鹿児島芋焼酎コミュニティクラブ(「スタイル プロモーション」運営)
※テーマ「島津紫」は株式会社島津興業に確認のもと使用しております。

- 2014.09.02 update -


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