「かごしま芋焼酎コミュニティ活力祭」
2015.05
(Writer 山内亮治)
5月23日(土)芋焼酎イベントは、蔵元4名とファッションスタイリストyukikoの”活力ある30代ユニット”によって発信された「かごしま芋焼酎コミュニティ活力祭」。
11月1日「本格焼酎の日」をひかえ、今秋に更なる新展開をむかえるスタイリストyukikoの本格焼酎普及活動。そのきっかけとなったのが、5月の「活力祭」だという。同世代の蔵元とイベントを通して見えたものは何だったのか。イベントプロデューサーであるyukiko本人に、「活力祭」をインタビュー形式で振り返ってもらった。
<30代生産者とファッションスタイリストが発信するイベント>
―まず、5月のイベントまでの準備期間や経緯を教えてください。
(yukiko)前回の1月から5月までは結構時間があって、5月に何をやろうか内容を決めるのに自分の中ですごく悩んだんです。企画に落とし込むまでに時間がかかりました。実は、もともと8つの企画案があったんです。ただ、5月のイベントとして自分の感覚の中でしっくりとこなかったんですね。どれをやっても間違いではない、でも5月に絶対にやらないといけない理由もなかった。だから、自分の中で納得していないモヤモヤした感覚でした。
―そこで、今回のイベントタイトルは「活力祭」でした。
(yukiko)実は、この企画は先ほど8つの企画とは別の、つまり新規案なんです。ちょうど弊社企画イベント「色と食の旅プロジェクト」~隠れ旬を味わう!オイスター活力祭~(2014年6月開催)に登場した宮城県石巻市の漁師とコンタクトを取る機会があって。イベントは異なっても、スタイリストとして世の中に発信すべき役割や、東京の人たちが潜在的に求めているニーズは同じだと気づいたんです。
地域は違っても、私が知る漁師と蔵元は似ている部分を持っているかも、と。今回の4蔵元と最初に会った時の印象を感覚的に覚えていたんです。良い意味でガツガツしていて、貪欲で、将来性があって活き活きとしている。その前向きな姿勢も似ていて、漁師とのイベント経験があったので私なりの方法で伝えたくなったんです。
だから“活力祭”という名前を付けて「色と食の旅プロジェクト」と連動企画にしました。両方とも30代の生産者が発信をする企画として、彼らなら弊社のイベント主旨を汲みつつも、石巻の漁師とはまた違ったアプローチをしてくれそうだと。東京のエンドユーザーの一人として楽しみもありました。
今回の4蔵元は年に1回くらいしかイベントで一緒にはならないようで、後で聞いたら、あのタイミングで揃ったのは“奇跡”に近かったらしい(笑)。小正醸造、小牧醸造、白石酒造、宇都酒造の4蔵元でなければ成立しない企画だったので、一人でも欠けたら企画自体が白紙。でも、別企画にスイッチする時間はない。……賭けのような状況で、確定するまでドキドキでしたし、忙しい中、スケジュールを確保してくれた蔵元に心から感謝なんです。
<イベントをキッカケに繋がるコミュニケーション>
―今回の活力祭はどの様なイベントになりましたか?参加者の反応などを教えてください。
(yukiko)参加者から「今までのイベントで一番熱くて、真剣さが伝わってきた」という声をもらいました。【SATSUMA⇔TOKYO Community Unit】(薩摩・東京コミュニティユニット)と弊社企画でユニット名をつけて、蔵元4名と私を含めて5名で発信したんです。
特に多かったのが「5人のバランスがとても良かった。この5人で続編をやってほしい」という声。お互いが信頼して本音で話していて等身大。30代の今を投影していて良かった、と。
蔵元4名のユニットではなく、私が入っていることに“意味”があると。それを理解し、受け入れている蔵元の柔軟な姿勢に好感が持てたそうです。しかも4+1ではなく、ちゃんと“5人ひとかたまり“で見えて、そのコミュニケーションや各々のプロ意識が素晴らしかったと。5名で発信したことに対しての評価をたくさんいただきました。
私に対しては、焼酎をおしゃれに身近に感じられた、参加者と蔵元の潤滑油になっていたなど。皆さん、お酒を飲んで大らかになっているはずなのに、よく見ているんだなと感想を聞いて背筋が伸びましたね(笑)。
―初めての参加者に蔵元の姿はどう写っていたと思いますか?
(yukiko)やっぱり蔵元に会えるってことが楽しみだと思います。会えて話せてお酒のことを直に聞けるっていうのは東京にいたら滅多に無いですよ。しかも、すごく近くで話せます。この一体感は、お酒を囲んでみんなで楽しむという私が育った「鹿児島文化」に通じます。
そして、蔵元の「うちの焼酎を買って飲んで欲しい」という気持ちは、参加者に強く伝わっていましたね。参加者は帰宅途中にコンビニや販売店で焼酎を買ったり、ネット購入したそうです。蔵元はイベントに来ても翌日に帰ってしまいますが、自分たちが蔵元に会える方法ってイベントに行くだけではなくて、蔵元の想いをこうして連れて帰って、焼酎を買うとか外食の際に飲むという行動に移すことでもあるんです。イベントが終わった後も“芋焼酎を飲む”という行為は、蔵元とのコミュニケーションだと思っています。イベントが終わりなのではなく、イベントはキッカケなんです。
<受け継がれる歴史と自己表現>
—5月のイベントを含めて、これまで蔵元と接する中で感じてきたことは何ですか?
(yukiko)気持ちが”熱い”です。皆さん、ちゃんと向き合っています。自分の置かれている立場だとか。日本酒やワインに注目が集まっている現在のシビアな状況をなんとかしなければという部分と、だから今から動かないといけないという熱意をすごく感じますね。
―蔵元は伝統的な【國酒・本格焼酎】を守っていく立場の方でもあると思いますが、どのような事を意識していると感じますか?
(yukiko)ある蔵元が「100年以上受け継いできた文化や伝統だから、自分たちは歴史の一部だ」と語っていました。お子さんがいる方もいて、各蔵の焼酎を受け継いでいくためにも“受け継ぐ先”を見て判断しているように感じます。
歴史の“ひとつの点”として行動することなのか、“線”として続けていくのか。時代に合わせて新しい発想で変化や挑戦を選ぶ時もあるでしょうし、受け継いでいくべきものは敢えて動かさずに守る。その発想力、決断力、行動力は、30代ならではの“荒削りの良さ”です。その“旬”の魅力を、ファッションスタイリストとしてちゃんと捉えて、私は発信したいんです。
―蔵元は、今まで培ってきたものを大事につなげていきたいと考えているのですね。
(yukiko)そうですね。一方で、たとえば鹿児島県内で発信したいのか、東京で発信したいのかによって方法が変わります。そこをチューニングするのが私の役割で、上手く埋めたいと思っていますね。
<皆で波紋のように広がり、つながっていきたい>
—今後、yukikoさんが【國酒・本格焼酎】を広めていくにあたり、考えている展望はありますか?
(yukiko)イベントとしては、口コミで広まってほしいですね。人が人を呼ぶ。飲んだことがない人、知らない人たちにとってハードルが低く、「この人が言うなら行ってみよう」と人の信用で新しいジャンルに入ってきてくれたらと思います。
そして、これからはさらに皆で広めていきたいんです。生産者、販売店、飲食店、メディアがいて、生活者がいて。蔵元から生活者へ波紋のように広がっていくのが理想です。逆に、生活者の声が販売店や蔵元に逆流していく波紋も理想ですね。そのための仕掛けは、もうしばらくしたら明らかになっていくと思います!各々の立場や経験を活かしつつ、みんなで楽しみながら【國酒・本格焼酎】を広めていけたら嬉しいですね。
【取材者コメント】
インタビューの中で、イベント後に実際に参加者が芋焼酎を買って帰るということを聞いて、インタビューをする側も何とも嬉しい気持ちになった。確かに、イベントで芋焼酎の味を知った気になり終わるのはもったいない。芋焼酎をこれまで愛してきた人にとっても、そしてデビューしたという方にとっても、お店で銘柄を手にすると、家にある瓶を見ると、ふとそこに蔵元の顔が浮かぶ……そんな「鹿児島芋焼酎のライフスタイル」が一人一人の心に息づいて欲しい。 (Writer 山内亮治)
※【SATSUMA⇔TOKYO Community Unit】/小正醸造、小牧醸造、白石酒造、宇都酒造、スタイリストyukiko(メンバー5名・順不同)。2015年5月原宿開催「かごしま芋焼酎コミュニティ活力祭」特別ユニット。「薩摩(さつま)・東京(とうきょう) コミュニティ ユニット」は、鹿児島(さつま)と東京をつなぐ地域文化の発信、交流を目的に結成した色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」企画のオリジナルユニットです。(お問合せは弊社まで)
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「かごしま芋焼酎コミュニティ活力祭」2015.05
日 時:2015年05月23日(Sat) 14:30-17:00
会 場:IKI-BA (原宿)
定 員:30名さま
【協賛】鹿児島空港ビルディング株式会社、株式会社西広
【後援】鹿児島県酒造組合、鹿児島県酒造青年会、公益社団法人 鹿児島県観光連盟、公益社団法人 鹿児島県特産品協会
【主催】色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」、鹿児島芋焼酎コミュニティクラブ(「スタイル プロモーション」運営)
- 2015.10.04 update -
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